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This Category :   世界中に花束を

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世界中に花束を 21

2010.08.23 *Mon
㉑ side Akira♀(20)


あれはボクにとって、かなりの屈辱だった。

一度目の対局は彼を初心者だと油断し、侮った。
だから、ボクが本気を出せば…勝機はあると思っていたのに…結果は完敗だった。

ボクを口説く為にプロになると平然と言い切った彼。
はらわたが煮え繰り返るかと思った。

でも…そんな彼に勝てなかった自分が…不甲斐なくて、1番腹が立った。


なのに彼の碁は…どこまでも美しくて…侮蔑すべきと思っていても、
どうしてもその美しさに惹かれてしまう。

そんな自分に…とことん嫌気が差した。


◇◇◇


「いやぁ、私もまだまだ勉強不足だ。」

「いえ、とてもスジの良い碁でした。」

そのお客さんは、ボクの言葉にハハハと照れ笑いしながら話し続ける。

「いえね、私も塔矢名人の囲碁サロンに一度は来てみたくてねぇ。
 そしたら、女流三冠のアキラ先生がいらっしゃるとは…指導碁もして頂けて、
 今日の私はラッキーでしたな。」

「いえ、ボクなど…たいした事はありませんよ…。」

「そんなぁ、ご謙遜を…!
 つい、この間も女流名人位を防衛されたばかりじゃありませんか!?」

おめでとうございます!と我が事の様に喜んでくれる。
こんな囲碁ファンの方達がいて下さるからこそ、
ボク達がプロ棋士としてやっていけるのだと解ってはいるのだけれど…。


「これからの棋戦も楽しみにしています。
 応援してますので、頑張って下さいよ。」

「あ、はい。頑張ります…。」

「や、今日はどうもありがとうございました。」


そのお客さんが声の届かないところまで歩を進めたのを見計らって…
ボクはふぅーっと毒を吐き出すみたいに長い溜め息を吐いた。


「アキラくん、来てたのか。」

「あ、緒方さん…。」

「どうしたんだ?溜め息なんか吐いて?アキラくんらしくないな。」

「いえ…特には…。」

「…初心者に負けたんだってな?あのバーテンダーらしいじゃないか?」

「ど、どうして、緒方さんがソレを!?」

「当たり、か…。」

緒方さんが面白がっている時のクククという忍び笑いに、
カマをかけられた事を知る。
ボクに睨み付けられる事など慣れきってしまっている緒方さんは…
そんなものには目もくれず、話題を逸らした。


「彼はアマ本因坊戦に出るらしいぞ?」

「えっ?」

「今年のプロ試験も受けるつもりなんだろうな?」

「それは…。」


―この人、どこからそんな情報を集めてくるんだろう?
 プロの、しかも強い人…それこそ七大タイトルのリーグなんかに
 絡んでくる様な棋士にしか興味なさそうなのに…。
 それに…どうしてボクより彼の事を知ってるんだっ!?


「アキラくんは…いいのか?このまま彼が全速力で駆け上がって来るのを
 指をくわえて待っているつもりか?」

「ボ、ボクは…別に…。」

「確かにキミはプロになってから淡々と勝ち上がって来た。
 同世代では敵なしだろう。
 だが…それが本戦を突破出来ない原因じゃないのか?」

「え…それって、どういう…?」

「碁は技術だけじゃない。僅かしかない技術の差の間で…
 精神面や気迫が大きく関係して、勝敗は決まる。
 今までのキミじゃ、例え挑戦者になれたとしても――叩きがいがない。」

こんな厳しい緒方さんは初めてかも知れない。
もちろん、碁に関しては容赦ないけど…
何だかんだ言ってボクには優しいお兄さんだったから…。


「……塔矢先生は何もおっしゃらないが…気付いておられるだろう。」

「お父さんが……?」


「キミこそが1番、彼の様な存在を待っていたんじゃないのか?」

「…ボクが…彼を……?」


――進藤ヒカル――



家に帰ってからも、緒方さんの言葉が頭から離れず…ボクは決心した。

―そうだ、ボクはこんなところで躓いてる場合じゃない!
 一度や二度、負けたくらいが何だ!
 ボクが勝つまで対局すればいいだけの話だ!
 最強棋士になるのは、このボクなんだから…っ!


武者震いにも似た感覚に…ボクは震える指先でメールを送信した。

『もう一度、対局してくれませんか?』
と。



◇◇◇



ふざけるなっ!!と声を大にして言ってやりたい!

昨晩、ボクから送ったメールへの返事は…彼は仕事だったのだろう…
今朝、ボクが棋院に到着する頃に届いた。


その答えが…デートしてくれたらいいよ、だった。


彼の暴言に目をつぶり、せっかくボクがメールしてあげたのに!

―ふざけるな!ふざけるなっ!ふざけるなぁ~!!
 キミがそのつもりなら、ボクだって考えがある!
 メールの返事だってしてやらないからなっ!

と、ボクは一目散に事務局へ向かった。



「すみません!」

「あ、塔矢くん!どうしたの?何かの打ち合わせかい?」

「あ、いえ…。あの、お願いがあるんですっ!」

「ん?さては、スケジュール変更かな?」

塔矢くん、棋戦が続いてるからね~?もう、お疲れなのかな?
と、その事務員は笑っている。

「いえ…あのっ!もうすぐアマ本因坊戦が始まりますよね?」

「あぁ、そうだね。それがどうかしたのかい?」

「その優勝者とのプロ・アマ本因坊対抗戦…ボクが出てはダメですか?
 いえ、ボクが出たいんです!どうしてもっ!」

「えぇ!?塔矢くんが!?」

「はい!女流である事がネックになると言うなら、
 手合い割りは今まで通りでも互先でも…何でも結構です!お願いします!」

「そうは言ってもねぇ…。いや、塔矢くんのファンも多いし、
 その方が喜ばれるかも知れないけど…。」

「でしたら、是非!必ず、期待に応えますから!」

「うーん、私なんかが決められることでもないしねぇ。
 しかも、相手があの桑原先生だろう?
 こういうイベント好きだから、桑原先生!」

「それは…。でも……"ボク"が言ってもダメですか?」

かつては五冠の棋士、塔矢行洋。
今でこそ、三冠ではあるが…最高位である"棋聖"も持ち、タイトル数でも…
まごうことなき、トップ棋士だ。
その塔矢行洋の娘、塔矢アキラ。ボク自身も女流三冠だ。


暗に…その"ボク"が言ってもダメか、と。


日頃は煩わしくさえある肩書を…こんなところで使わずして、いつ使う?

ボクに詰め寄られたその人は…勢いに気圧されたか、
はたまた"塔矢"の名前に怖じけ付いたか…おそらく後者だろうが。

「ん、ん~。塔矢くんがそこまで言うなら、掛け合ってはみるが…
 こういう事はスポンサーの意向が絶大だからねぇ。
 あまり期待しないでくれるかい?」

そうは言っても"塔矢"の名前が、囲碁界へ及ぼす影響力は…
少なからずあるハズだ。

「では、よろしくお願いします。」
と一礼し、開始時間が迫った対局室へ足早に向かった。


「あれ?そう言えば、塔矢くん…どうしてあんな事、言い出したんだろう?
 いつも物静かな彼女にしては珍しいなぁ。」
という彼の呟きは置き去りにして―。


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2010/08/23加筆修正、UP
Par KIA fr

無駄に長い…^^;スミマセン
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世界中に花束を 20

2010.07.26 *Mon
⑳side Hikaru♂(20)


「エス・エー・アイ、sai!」

《ヒカル?記号みたいなものがたくさん出てきましたけど…
 これは何ですか?ヒカルは分かるのですか?》

「あぁ、これは外国の文字だよ。今は子供の時から外国語を習うんだ。」

《はぁ…。》

佐為は全く分からないといった表情で首を傾げているが、
平安貴族にいちいち説明していては進まないのでスルーしておく。


「へぇ~いろんな国の人がいるんだな~!あ、フランスの人もいるんだ~!」

《ふらんす?》

「うん、オレが留学してたところ。」

《はぁ~。》

「あ!nicoがいる!」

《にこ?》

「あぁ。オレの友達にもニコラってやつがいてさ~ニコって呼ばれてたんだよ。」

《にこら…変わった名前ですね~。》


―佐為って名前も大概変わってると思うけど…。


「フランスではよくある名前だよ。よし!コイツと打ってみよう!」

《はいっ!対局、対局~!》


―ホント、コイツ、現金なヤツだよな~。


「おい!コレはオレが打つんだからな!オマエは口出しするなよ!」

《そんな事、分かってますよ~!》


そんなやり取りをしていると、目の前では既にsai vs nicoの対局が始まろうとしていた。



これがオレの…"進藤ヒカル"の初めての対局だった。



◇◇◇



「うが~負けた~!佐為!もしかしてコイツ結構強い?」

《…そ、そうですね。ヒカルよりは強い、ですよ?》


―コイツ、心なしか笑ってないか?くそっ!


「んー負けると結構悔しいもんだな~!」

《そうですね。でも、初めてにしてはヒカルも健闘していましたよ?》

相変わらず佐為は袖口で口元を隠し、クスクス笑っている。


「…なんか、オマエ、むかつく!じゃあ、どうしたら勝ってたんだよ!?」

《はい、それはですね…。》

「あ、ちょっと待て!nicoが検討しますか?だって!」

《え?出来るのですか?》

「あぁ、チャットでな。んと、文章で会話するんだ。」

《へー便利ですねぇ。では、早速この手なのですが…。》

「ふむふむ…。」


~~~


nico>tu es tre`s bien!c'e`tait inte´ressant!
sai>moi aussi.merci!
nico>de rien.jouons-y encore!
sai>bien su^r!
nico>merci.a` biento^t!
sai>salut!
~~~


「は~面白かった~!"また打とう"だってさ。いいヤツだったな!」

《はい、そうですね!彼はとても独創的な碁でした。》

「そうだな。どこに打ってくるか予想しづらかった。」

《ええ。お国が違えば碁の考え方も違うのでしょうね…。》

「碁だけじゃなくて、何もかもが違うよ!街も人も食べ物も全て!」

佐為は切れ長の綺麗な瞳をまんまるにして驚いている。


「もし佐為がフランスに行っちゃったら…きっと、ひっくり返ってばっかりだろな~?」

《…どういう意味ですか?それは…?》

「びっくりする事ばっかりってコト!」

《ヒカル…私の事、馬鹿にしてます…?》

「そんな事ないって!あ、そうだ!今度さ、フランス、連れてってやるよ!」

《…いいですよ、私は。馬鹿にされるのが目に見えてますから。》

「バカになんてしないって!オレ、佐為に見せたいモノいっぱいあるんだ~!
 オレが案内してやるよ!」

そう言いながら更に、いいコトを思い付いた。

「んでさ、オマエは京都でも案内してくれよ!
 あそこなら、佐為がいた頃の建物とかあると思うぜ?多分…。」

《そうなのですか?…本当に…?》

「うん、ホント。じゃあ、約束な!」

《……ハイ!》

佐為は少し考える素振りをしてから、次の瞬間には瞳をキラキラさせて返事をしていた。


「じゃ、もう一局打つか~!」

《えぇ~ヒカルばっかりズルイですぅ~!》

「仕方ないだろ?ネット碁はオレって決まりなんだから。
 コレ終わったら、またオマエの対局の事も考えてやるからさ!」

《絶対ですよ~?ヒカルゥ~!》

「はいはい、分かったよ。」






そのまま何局か打って、検討もした。
流石にオレはなかなか勝てなかったけど、打つごとに面白くなっていくのが分かる。
しかも全ての対局相手がなぜだか褒めてくれるし。

―まぁ、佐為が検討してるんだから当然かもな。


《ねぇ、ヒカルゥ~。》

「あぁ~?」

《私の次の対局なんですけど…。》

「あぁ…。」

佐為がとうとうシビレを切らしたらしい。

《あぁ…ってヒカル!私の対局の事も考えてくれるのではなかったのですか?
 そりゃあヒカルの碁を見るのも検討するのも楽しいですけど…
 私に打たせてくれる約束ですよね!?…それにですねっ!
 ヒカルだってもっと石に慣れていかなければなりませんし…
 私の碁を見るのも勉強になるのですよ…!》

―コイツにしては、よく喋るなぁ~すげぇ必死!
 ちょっと、からかい過ぎたかな?

オレはクククと笑いを堪えながら…
「分かった、分かった!今調べてやるから!」
と言おうとして、佐為の真面目に困った顔に吹き出してしまった。


《あ!ヒカル!私の事、からかってたのですか?》

「ワリィ、ワリィ。ちゃんと調べてやるからさ、ほら!」
とオレはパソコンに向き直り…碁会所でも探してやるか、と検索を開始した。
佐為は、というと…解らないなりに、やっぱり気になるらしく…
一緒に画面を覗き込もうとしていた。



「あ!コレ店の近くじゃん!」

《えvなに、なに?何がですか!?》

「碁会所!今度連れてってやるよ。」

《ワーイ!碁会所v碁会所~v》

佐為はよっぽど嬉しいらしく、部屋中をぐるぐると走り回っている。


―オマエ、ホント一体いくつなんだよ…?


オレは苦笑しつつ…
「他にもpick upしてやるから…落ち着けって。」
と半ば諦めながら呟いた。


めぼしい碁会所をいくつかメモし、これで佐為もひとまず落ち着くだろうと、
ふぅ~と溜め息を吐くと…気になる文字が視界の端を掠めた。



……アマチュア棋戦……



オレはまたガバッとパソコンに噛り付く。


《どうしたんですか?ヒカル?》
と佐為は首を傾げてキョトンとしている。


「オマエ、コレ、出てみるか?」

《えっ?》



――全日本アマチュア本因坊決定戦――



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2010/07/26
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世界中に花束を 19

2010.05.25 *Tue
⑲side Hikaru♂(20)


「……では、ボクを口説く為に最強棋士になる、と?」

「うん、まぁ、そういうコトになる、かな?」

《ヒカルっ!それは…っ!》
「キミは…女流棋士を…いや、プロ棋士すべてを侮辱する気か…?」

「えっ?」

佐為が急に叫ぶから…彼女の言葉を聞き逃してしまった。


「キミは…棋士の高みを知っているのか!?」

「棋士の高み…?」

―アキラちゃんはいったい何を言ってるんだ?

《あ~もうっ!ヒカル…。》
と佐為は頭を押さえている。


「……出よう。」

「えっ?もう?」

「…今すぐ打とう!キミがそんな軽い気持ちで最強棋士になると言うのなら、
 こんなところでボクに負けては話にならないだろう?」

さぁ、早く打とう!とオレの手を引っ張って行く。

「わっ!ちょっと待ってよ、アキラちゃん??」


―…オレ、なんかマズイ事言った?

《そうですね。女性を口説く為に棋士になるなど、聞いた事がありませんから。》

―でも、オレ、軽い気持ちなんてコレっぽっちも思ってないけど?

《それは塔矢アキラに対してでしょ?彼女は囲碁の事を言ってるんです!》

―それはそうかもしんないけど…。

と佐為と話してる間に囲碁サロンに着いてしまった。


「あ、アキラくん!彼氏くんもv」

「あ、どーもv」
と受け付けのお姉さんの"彼氏"の言葉にオレの気分が少しだけ浮上する。

「奥の空いてるところ、借りるね。」

でも、アキラちゃんの機嫌は変わらないみたいだ。


そんなオレ達の登場で、急にサロン全体が…ざわめきだした。


「えっ…ちょっと…?」

「どうぞ、座って…。」

彼女は以前と同じ様に席をすすめてくれる。

―こんなにもギャラリーつくのかよ…。
 オレ、アキラちゃんと二人きりがいいんだけど…。

《はぁ~ヒカル…。仕方ありませんよ。》
と佐為が呆れている。

「互先でいいよね?ボクがニギろう。」

「あ、うん。」

―2・4・6…12。

「キミが黒だね。じゃ…。」

―………!

急にアキラちゃんの眼がオレを鋭く睨みつけてくる。
常にないアキラちゃんにオレはドキッとした。

「お願いします。」

「お、お願いします。」

―佐為…一手目は!?

《右上スミ小目!》















「………。」

「……ありません………。」

「えっ!?」

―何?ここで投了!?いや、オレにはよく分かんないけど…
 だって、でも、この前のまだ半分くらいしか打ってないんだぜ!?

アキラちゃんは俯いたまま、動かなくなってしまった。


「アキラちゃん……?」

呼び掛けても反応はない。

―さ、佐為…オマエ、そんなにコテンパンにやっちゃったワケ?


「……アキラちゃん、真剣に打ってくれてありがとう。
 ……でも…でも、オレもちゃんと真剣だよ…。」

それでも、反応はない。


―聞いちゃいない…。
 聞いちゃいないんだ…オレの言葉なんか……。
 でも、これだけはちゃんと言っておかないと…。

「オレもちゃんと真剣だから!軽い気持ちなんかじゃなく…。」

―この、アキラちゃんへの想いは…。


「…オレ、仕事あるから…もう行くね?」

送ってあげられなくて、ごめんと小さく謝ってから囲碁サロンをあとにした。


たくさんの心残りを残したまま―。


◇◇◇


「なぁ、佐為~?」

《ハイ。なんですか?ヒカル。》

「アキラちゃんさぁ、すげー真剣だったなぁ?」

《ええ、そうでしたね。》


「店に来る時と全然印象が違ったよな~!」

《ええ。でも、それは当然ですよ。》

「当然?」

《ハイ。彼女は強い。あれ程の棋力ですし、囲碁を生業としているのですから。》

真剣になるのは当然!と佐為もアキラちゃんと同じ瞳をしていた。



アキラちゃんとの対局は、正直オレにとってデートだった。

だからこそ、わざわざバイクで迎えに行ったのだし、食事も付き合ってもらったのだ。

―……セルフカフェだったけどさ。
 でも、抱き着かれた時は…マジ、ヤバかった!
 瞳なんかぎゅっとつぶっちゃって…ちょ~可愛い~v
 こっちが抱きしめたかったくらいだよ!


雑誌や新聞の中のイミテーションの彼女なんかじゃなく…
リアルなアキラちゃんと少しでも話がしたかったんだ。

だって…打つのは佐為だし、オレにとって碁はアキラちゃんを手に入れる為の
ツールでしかないのだから。
ただ、プロになる為のある程度の知識さえ知っていれば良いのであって、
"真剣"になる必要などないと思っていた。

そう、"思っていた"のだ。



「だからってオマエ、もうちょっと上手く勝てよな~!
 アキラちゃん落ち込んじゃって可哀相だったじゃんかよ~!」

《仕方ありませんよ。真剣勝負なんですから!
 しかも、勝たないと最強棋士とは言えませんよ?》

「それはそうだけどさ~!でも、オレが言ってんのはなんて勝ち方したんだよ、って事!」

《それは…彼女は私に余裕など与えてくれたかったんです。
 ひと太刀で首と胴を切り離すしかなかった…。》

「オマエ、例えが物騒だよ…。でも、なんか佐為だけ、ずりぃよな~!」

―オレだけ仲間はずれかよ。ちぇ…っ。

《あ、ヒカル!ヤキモチですか~?》

「あぁ~そうだよっ!ワリィかよっ!?」
とそっぽを向いたオレには佐為の忍び笑いだけが聞こえていた。



「あ!そっか!」

《へっ?急にどうしたんです?ヒカル。》

「ネットだよ!ネット碁があるじゃん!」

《ねっと碁?》

「そう!ホラ、前に囲碁教室の先生が言ってただろ?
 このパソコンさえあれば、日本中でも世界中の人とでも碁が打てるんだ!」

《日本中の人と…?コレで?まさかぁ!?》

「それが打てるんだよ!オレはさ、オマエとの約束があるから対面しては打てないだろ?
 でもさ、ネット碁なら対面しなくても打てるじゃんか!」

《そうなんですか…?》

「そうなの!そしたらさ、アキラちゃんの気持ちも少しは解るかもしんないだろ?」

《…ヒカルは本当に塔矢アキラが好きなんですねぇ。》
と佐為は口元を隠して、クスクス笑っている。

「いいだろ、別に!それよりオマエには"進藤ヒカル"の名前貸してやってんだから、
 ネット碁ではオマエの名前貸せよな!」

《いいですけど…どうするんです?》

「まぁ、見てなって!」


そう言って早速"ネット碁"で検索し、めぼしいところで登録を開始したのだった。


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2010/05/25
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世界中に花束を 18

2010.05.23 *Sun
⑱side Akira♀(20)


「アキラちゃ~ん!こっちこっち!」

彼はヘルメットを小脇に抱え、バイクに跨がったまま…
いつもの笑顔で大きくブンブンと手を振っている。

自宅から最寄り駅のロータリーで待ち合わせたボクは
一応目につきやすい場所にいたつもりだけど…それ以上に派手な登場の彼に、
びっくりしたり、こんなところで注目されて恥ずかしかったりで…
小さく手をあげてから俯きがちに駆け寄った。

でも、彼はそんな事には全く気にも留めない様子で…
「ごめん!待たせちゃった、かな?」
と子犬みたいな瞳で小首を傾げた。

「い、いえ。今、来たばかりですから…。」

ボクはバイクに跨がったままの彼に、ほてった顔を見られたくなくて俯いたまま答えた。

彼はクスッと小さく笑ってから…
「なんだか、デートの待ち合わせみたいだ…。」
と照れくさそうにはにかんだ。

「デ、デート!?」
とボクは条件反射で声を出してしまったけど…
それより、そんな彼が珍しくてマジマジと見てしまっていた。

「はい、コレ!」

彼は何かをごまかすかの様に、ヘルメットをボクの胸元に突き出してくる。

―??

思わず受け取ってしまったけど…ボクは意味が分からなくて、ぼーっとソレを眺めていた。

「ん、もう!やっぱり貸して!」
と彼はソレを奪い取って…ハイ、被って!とボクの頭にカポッとはめてしまった。

「えっと…?」
とボクが戸惑っていると…
「ハイ、乗って!」
と彼は体を捻ってぽんぽんとシートを叩く。

「えぇーっ!ボクも乗るんですか!?」

「当たり前じゃん!だからジーパンはいてきてって言ったでしょ?」

「そ、それはそうですけど…。」


そうなのだ。昨日、帰宅してからのメールのやり取りで…
「明日の服装はジーパンで寒くない格好して来て!でも、ロングコートはダメだよ!」
と言われていたのだ。

どうして服装指定なの?もう、春なのに寒くない格好??と不思議に思ったけれど、
言われた通りスキニーとカットソーにキャメルのレザージャケットを着て来たのだ。
ロングコートじゃダメで、暑くならず、でも寒さもしのげて、
脱いでもあまり邪魔にならないってコレしか思い付かなかったんだ。
でも、コレ、レザーだけどラムだし…柔らかくて軽いから、いいかなって。

―そういえば、彼もいつもとちがってスリムジーンズにライダースJKだ…。
 ボクの服装もそんなに間違ってなかった…のかな?


そういう格好も似合うね、と彼は目を細めてから…
「大丈夫!安全運転で行くから!」
ホラ、早く!と急かす。

仕方なくボクは怖ず怖ずと彼の後ろのシートに跨がった。

「ハイ、じゃあ足はソコ。手はココ。」
と両手を彼のお腹まで引っ張られて…まるで、抱き着いてるみたいになってしまった。

―こんなの恥ずかし過ぎる!

と、あわてて両手を引き戻そうとすると…
「しっかり、しがみついてないと落ちちゃうだろ?」
と元に戻された。

"落ちちゃう"という言葉に軽くショックを受け、ボクは目までもぎゅっと固く閉じた。


嵐が通り過ぎるのを待つ、子供みたいに…。


彼は、お腹付近にあるボクの手を大丈夫だよって言うみたいにふんわり包んでから…
「じゃあ、行こっか。」
と柔らかく出発を告げた。


彼はやっぱりテレパシストなのかもしれない、とボクは馬鹿な事を考えていた。


◇◇◇


「は~怖かったぁ…。」
「ね、アキラちゃん、朝メシ食べた?」

囲碁サロンのある駅前にバイクを停めてからすぐの、ボク達の第一声が…コレだった。

彼はお腹をさすりながら、情けなさそうな顔をするから…
ボクは怖さを忘れて笑ってしまった。
彼も頭をポリポリかきながら…えへへと笑っていた。

お腹が空き過ぎて碁が打てないと言われたら…付き合わない訳にいかない、と
ボク達はすぐ近くのセルフカフェに入った。

彼はカツサンドとコーラ、ボクはコーヒーを注文して席に着いた。

「髪、ぺちゃんこになっちゃった、かな?」
と彼はクスクス笑いながら、ボクの髪をわしゃわしゃ~とした後…
指で梳いて元に戻していく。

「髪、綺麗だね。」

「でも、直毛だから…キミみたいなふわふわの髪が良かった…。」

「えぇー!?そうかな?すぐ型付いちゃうし、なかなか戻らないから結構大変だぜ~?」
と自分の髪もワシャワシャしだした。

その仕草が可笑しくて、ボクもクスクス笑った。


「ね、バイク、大丈夫だった?」

「スピードが速くて…怖かったです。落ちない様に必死でした。」

「ハハっ、今日は全然スピード出してないよ~!安全運転だもん!
 バイクと車じゃ体感速度が違うからな~!」

「そうなんですか…。」


よほどお腹が空いていたのか、ボクからしたら有り得ないスピードでカツサンドを
たいらげていく彼に…やっぱり、どうしても気になる事を聞いてみる。

「…キミはプロになるの?」

「もちろん、なるよ。」

「どうして…?」

「ん?最強棋士になる為にはプロになるのは当然でしょ?」

「最強棋士…?」

「うん。アキラちゃんの男性のタイプは最強棋士なんでしょ?週間碁に載ってたよ?」


「……では、ボクを口説く為に最強棋士になる、と?」

「うん、まぁ、そういうコトになる、かな?」


「キミは…女流棋士を…いや、プロ棋士すべてを侮辱する気か…?」

「えっ?」

ボクの低い呟きが彼には聞こえなかったらしい。


―そんな軽い気持ちで碁を打つなんて……キミが碁打ちのハズがない!


「キミは…棋士の高みを知っているのか!?」

「棋士の高み…?」


「……出よう。」

「えっ?もう?」

「…今すぐ打とう!キミがそんな軽い気持ちで最強棋士になると言うのなら、
 こんなところでボクに負けては話にならないだろう?」

さぁ、早く打とう!と彼の手を取り、引っ張って行く。

「わっ!ちょっと待ってよ、アキラちゃん??」


そう、ボクとて…。
ボクとて神の一手を極めようという志に生きるのならば…
こんなところで負ける訳にはいかない。


―最強棋士になるのは…このボクだ!!


今朝、家を出た時は晴れていた空が…今は厚い雲に覆われて…
今にも雨が降り出しそうだった。


◇◇◇


「………。」

「……ありません………。」

「えっ!?」


「アキラちゃん……?」



「……アキラちゃん、真剣に打ってくれてありがとう。
 でも…でも、オレもちゃんと真剣だよ。軽い気持ちなんかじゃなく…。」


「…オレ、仕事あるから…もう行くね?」

送ってあげられなくて、ごめんと小さく謝ってから…彼は静かにここを出て行った。



お父さん…お父さん……

ボクは今まで、お父さんのあの言葉を誇りにまっすぐ歩いて来た…

でも今、何か見えない壁がボクの前にあるんだ…


見えない大きな壁が………



いつの間にか降り出していた雨が、窓の向こうを滲ませていて…何も、見えなかった―。


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2010/05/23
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世界中に花束を 17

2010.05.21 *Fri
⑰side Akira♀(20)


―ど、どうしよう…?

先程から数十分、ボクは携帯を握りしめ…メールをどう打つべきか悩んでいた。


元々、ボクは携帯など必要ないと思っていた。
だって、ボクは実家住まいだし、家には電話もあるのだから。
だが、ボクがプロになり数年たった頃、手合いやそれ以外の仕事が格段に増え…
緊急の連絡もあるのだから、と棋院や母に持つように言われた。

それに関係ないかも知れないけど…女流棋聖戦なんかは某携帯電話会社主催で、
その携帯を持ってないと獲れないというジンクスがあるらしい…。

でも実際持ってみると、そこそこ便利だなと思ってはいるけれど…
やっぱりほぼ仕事用と化していて、使ったとしても電話ばかり。

だって、メール打つ間にさっさと電話した方が早いでしょ?
繋がらなければ、留守電があるんだし…。

だから、ボクはメールなどほとんど使わない。
それでなくても、携帯を落としても人に言われるまで気付かないくらいなのに…。
まして、プライベートで使うなど…必要性もその相手もボクにはなかったのだ。

だけど、なんとなく彼に電話するのは気が引けて…
メールで連絡しよう、と思いたったのだ。


~~~

To:進藤ヒカル
Title:対局の日時

こんにちは。塔矢アキラです。
早速ですが、次の月曜日の午前中はご予定いかがでしょうか?
ご都合がよろしければ、対局しませんか?
お返事お待ちしています。

塔矢アキラ

~~~


―メールってこんなのでいいのかな?変じゃない、かな??
 なんだかこれって、デートのお誘いみたいじゃない…?よね/////
 やっぱり、もう一度考え直そう。落ち着いて…。


「おい!アキラくん。そんなところで何してるんだ?」

「へっ?」

ピッ

………………送信完了


画面に浮かび上がった文字に、一瞬頭が真っ白になった。


「あっ!あぁ~~!!」


―緒方さんのバカぁ~!!急に話掛けないでよ!
 考え直そうと思ってたのにぃ~送っちゃったじゃないかぁ~!!

と、大声で罵ってやろうと思ったけど…相手は腐っても二冠。棋院じゃ、分が悪すぎる。
それに余計な事を勘繰られて彼のおもちゃになるのは避けたい…
が、ボクは気が収まらなくて…キッと睨みつけてやった。

なのに、緒方さんはそれに怯むどころか…からかう気満々のいつものニマニマ顔だ。


「そんな大声出して、アキラくんらしくないな。……彼氏か?」

「なっ!彼氏なんていませんっ!」

「…そうなのか?オレはてっきり…。」


―てっきり……何ですかぁ!?


ブルルルル…ブルルルル…


ボクが動揺を抑えようと必死なのに…ソレを遮るかの様に、手の中の携帯が震えた。

緒方さんをチラと伺い、後で見た方がいいよね?と考えていると…
「アキラくん、携帯鳴ってるぞ。」
と、緒方さんは確認しろと顎で促してくる。

携帯が鳴ってる事くらい分かってますよっ!と思ったけど、
そんな監視する様に見られたら…確認しないわけにはいかないじゃないか…。

緒方さんのニマニマ笑いを舌打ちしたい気持ちで…しぶしぶメールを確認する。


~~~

From:進藤ヒカル
Title:Re:対局の日時

アキラちゃ~ん!メールありがと~v

次の月曜日ね!全然OKだよo(^O^)o

じゃあ、どっかで待ち合わせして行こ!
オレ迎え行くからさ(^_-)-☆
どこがいい?



~~~


彼らしいメールに笑ってしまった。

―でも、この記号なんだろう??


「やはり、彼氏か…。」

「だから、違いますっ!!なんの根拠があってそんな事…っ!?」

「……アキラくん、どうやら声が大き過ぎるみたいだぞ。」

緒方さんのチラリと周りを見てからの発言に、ボクはここが棋院内であることを
思い出し…あわてて手で口を塞いだ。

辺りにはボク達を訝しそうに見ている者や痴話喧嘩か?などと、とんでもない事を
コソコソと話す連中までいた。

これだから…タイトルホルダーという立場では、
やましい事が何らなくても(緒方さんはあるかもしれないけど!)、
棋院内でおちおち話もしてられない。

「アキラくん、とりあえず出るぞ。対局は終わったんだろう?」

「あ、はい…。」

これ以上変な噂を立てられては、堪らない!とボク達は棋院をあとにし、
メールの返事は家に帰って落ち着いてからにしようと…
緒方さんの第2の愛車、MASERATI GranSportに乗り込んだ。


今日は高段者の手合い日で、緒方さんと一緒になった。
緒方さんは何やら父に用事があるとかで…帰りは車で送ってやると
言ってくれていたから、待っていたのだ。

ちなみにこの車は2年前くらいに緒方さんが2台目として購入したものだ。
ボクから見れば…ボディカラーが変わったくらいで
あまり違いなんて分からなかったけど、緒方さんが好きそうな車だなとは思った。

気に入って乗っていたRX-7はどうしたのかと聞くと…
「コイツを普段使いにして、セブンはセカンドカーにする。
 アイツは結構足回りなんかをいじってあるからな。」
だそうだ。
ボクには同じ様な車を2台持つ意味も緒方さんの気持ちもサッパリ分からない。

でも、初めて見た時はボディがシルバーで意外だったけど…
ドアを開けると真っ赤で(しかもオールレザーの特注らしい)、
やっぱり緒方さんだ…と呆れたのを乗るたびに思い出して、内心笑っていた。


「市河さんに聞いたぞ。」

「はい?」

「囲碁サロンに彼氏が来たらしいじゃないか。市河さん、喜んでたぞ。」

―来たか…。

「ですから、さっきも言った通り彼氏じゃありません!」

「あぁ…まだ彼氏じゃない、という事か。」

「なっ…!」

まだって何ですか!?と言うのを遮られ…また唐突に、
「最近、あのバーによく行くらしいな。」

「ど、どうして、それを…?」

「……明子さんがな、何か…。いや、何でもない。」

―お母さんが、何!?
 また、何かしたのか!?
 いや、もしかして…これからするのか!?


コレはなんだか聞いちゃいけない事の様な気がして…
「そ、そうですか…。」
と後は一言も話さず、ひたすら早く家に着く事だけを祈っていた。


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2010/05/21
Par KIA fr
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